看護師の転職というと、専門の転職サイト(人材紹介サービス・看護師求人サイト)を思い浮かべる方が多いかもしれません。しかし、国が運営する「ハローワーク(公共職業安定所)」も、実は看護師の就職・再就職に活用できる有力な手段のひとつです。
地域密着の看護師の求人や職業訓練、失業手当との連携など、ハローワークならではの強みがありますが、一方で「求人数が少ない」「情報が簡素」といった不満の声もあることは事実です。
以下では、ハローワークを利用する際のメリット・デメリット、民間サービスとの違い、活用のコツまでを徹底的に解説します。地元で働きたい方、ブランク明けで再就職を目指す方、失業保険を活用しながら転職活動をしたい方は必見です。
目次
ハローワークとは?看護師でも利用できるの?

以下では、ハローワークの基本的な仕組みや、看護師が利用する際の具体的なケース、さらに民間サービス(看護師求人サイト・転職エージェント)の違いを詳しく説明していきます。
ハローワークの基本的な仕組みとは?
ハローワーク(正式名称:公共職業安定所)は、厚生労働省が運営する公的な就職支援機関で、全国に500ヵ所以上設置されています。
主な役割は、仕事を探している求職者と人材を募集している企業や施設との橋渡しを行うことにあります。誰でも無料で利用できることが特徴で、失業保険の手続き、職業相談、職業訓練の紹介など、幅広いサポートを提供しています。
看護師や准看護師、保健師や助産師など医療職においても、ハローワークのサービスを利用することが可能です。実際に、病院・クリニック・介護施設などがハローワークに看護師等の求人を出していることは多く、地域密着型の求人が多いのも特徴です。
看護師がハローワークを利用するケースとは?
ハローワークは離職者だけでなく、転職を希望する看護師や、ブランクのある看護師など、幅広い背景の求職者に利用されています。特に看護師の場合、以下のようなケースで利用されることが多いです。
- 地元で働きたい看護師:地域の病院・診療所・介護施設などの求人が多く、Uターンや地元志向の看護師にとっては貴重な情報源です。
- 子育てや介護でブランクがある看護師:再就職支援プログラムや職業訓練の紹介を受けることで、安心して現場復帰を目指せます。
- 失業保険の受給と並行して転職活動したい看護師:ハローワークは失業手当の申請窓口でもあるため、手当を受けながら就職支援も受けられるメリットがあります。
- 非正規雇用や短時間勤務の求人を探している看護師:パート・アルバイトなどの柔軟な働き方が可能な求人も掲載されています。
- 職業訓練校に通いたい看護師:介護職へのキャリアチェンジや資格取得を目指す方には、ハロートレーニング(職業訓練)も活用可能です。
このように、看護師の中でも「柔軟に働きたい」「地元密着型の求人を探したい」「民間サービスに頼らず公的支援を受けたい」という方にとって、ハローワークは有力な選択肢となります。
ハローワークと民間の看護師求人サイトとの違い
看護師の転職支援には、ハローワーク以外にも民間の「看護師専門の転職・求人サイト(人材紹介会社)」が数多く存在します。これらとハローワークでは、サービス内容やサポート体制にいくつかの違いがあります。
以下の表は、ハローワークと民間の看護師求人サイト(看護師専門の転職エージェント)との主な違いを比較したものです。
| 項目 | ハローワーク | 看護師求人サイト |
|---|---|---|
| 利用料金 | 無料(完全公的) | 無料(紹介先から手数料) |
| 求人数の傾向 | 地域密着・中小規模の求人が多い | 大手病院や施設、非公開求人が多い |
| サポート体制 | 基本的に窓口相談(予約制) ※一部に看護職専門の担当あり |
担当アドバイザーが個別対応(電話・LINE等) |
| 交渉サポート | 交渉は自分で行う | 給与・条件交渉を代行してくれることが多い |
| 情報の質 | 情報が簡素なこともある | 内部事情・職場の雰囲気など詳細が得られる |
| スピード感 | 求人検索から応募・面接までやや時間がかかる傾向 | 応募から内定まで迅速に進むケースが多い |
| 対象者 | 失業保険の手続き中の看護師 地域で就職したい看護師など |
転職を積極的に進めたい看護師 条件交渉に慣れていない看護師 |
両者には一長一短があるため、どちらか一方だけを使うのではなく、ハローワークと看護師求人サイトを併用することが、効率的な転職活動につながります。
※看護求人サイトについては、当サイトの「看護師転職サイトの人気口コミランキング」を確認しておいてください。
たとえば「ハローワークで地元求人を探しつつ、非公開求人は看護師求人サイトで探す」といったように、看護師自身の状況に合わせて情報源を分散することで、より希望に近い職場に出会える可能性が広がります。
看護師がハローワークを活用するメリット

看護師にとってのハローワークは、地域密着の求人へのアクセスや、職業訓練、再就職支援、失業保険との連動などの充実したサポートが用意されている公的機関です。
以下では、看護師がハローワークを活用することで得られる一般的なメリットについて、具体的に説明していきます。
地元の看護師求人に強い
ハローワークの最大の強みは、地域密着型の看護師求人情報に強い点です。各ハローワークは、所在地の市区町村に根ざした求人を独自に収集・掲載しています。そのため、転職サイトでは見つからないような小規模クリニックや地域密着の介護施設、訪問看護ステーションなどの求人に出会える可能性が高まります。
たとえば、地元で子育てや家族の介護をしながら働きたいという方にとっては、通勤圏内で無理なく働ける職場を探しやすいというメリットがあります。また、地方自治体の求人(採用試験情報)や、地方自治体と連携した地域限定の雇用創出事業なども扱っていることがあり、地域住民を優先的に採用する求人にアクセスできるのも特徴です。
公的機関なので無料・安心
ハローワークは厚生労働省が運営する公的機関であり、利用料は完全に無料です。看護師の求人の紹介だけでなく、職業相談や応募書類の添削、模擬面接なども無料で受けられます。営利目的ではないため、看護師側が就職を急かされることや、特定の求人を強く勧められるようなことは基本的にありません。
また、企業・施設側にも「無料で看護師求人を掲載できる」というメリットがあるため、資金的に余裕がない中小規模の医療機関や社会福祉法人などが積極的に活用しています。こうした背景から、営利性がないことで「中立的な視点でのアドバイスが受けられる」といった安心感が、看護師がハローワークを利用する大きな魅力となっています。
再就職支援や職業訓練も充実
看護師としてブランクのある方や、異なる職種(介護・保育など)へのキャリアチェンジを希望する方にとって、ハローワークの提供する再就職支援や職業訓練制度は非常に有益であり、メリットです。
ハローワークを通じて看護師が受講できる職業訓練には、大きく以下の2種類があります。
| 公共職業訓練 | ・対象者:主に雇用保険受給資格のある離職者 ・特徴:受講料は無料(教科書代等は自己負担) |
|---|---|
| 求職者支援訓練 | ・対象者:雇用保険を受給できない求職者(非正規・主婦など) ・特徴:一定条件で月10万円の給付金支給あり(※職業訓練受講給付金) |
看護補助者、介護職員初任者研修、医療事務など、看護職に関連するスキルアップの機会も豊富です。実際の講座内容や地域の実施状況は、厚生労働省の「職業訓練検索ページ(ハローワークインターネットサービス)」から簡単に調べることができます。
また、再就職支援として「マザーズハローワーク」など、属性に応じた専門支援窓口も整備されており、看護師として活用される方も多いです。
失業手当などとの連携がスムーズ
ハローワークは、雇用保険(失業保険)の給付窓口でもあります。そのため、失業手当を受給しながら、転職活動を並行して進めることができるのも大きなメリットです。
たとえば、失業保険の受給資格がある方は、再就職のための活動を定期的に報告することで、給付金を受け取りながら職探しを進めることが可能です。また、「再就職手当(厚生労働省)」や「就業促進定着手当(厚生労働省)」などの制度を利用することで、早期就職に対して金銭的な支援を受けられる場合もあります。
※失業保険については「雇用保険手続きのご案内(ハローワークインターネットサービス)」を確認してください。
看護師求人の更新頻度が高い
ハローワークに掲載されている看護師関連の求人(看護師・准看護師・保健師・助産師)は、毎日800件〜2,000件程度が更新されており、非常に高い頻度で新しい情報が追加されています。これは、他の職種と比べても活発な動きであり、特に短期間での採用を希望する医療機関が多い看護職ならではの傾向といえます。
また、ハローワークに掲載できる看護師等の求人の掲載期間は最大2か月と定められており、それ以降は自動的に掲載終了となる仕組みです。古い求人がいつまでも残らないため、常に比較的「フレッシュな求人情報」が保たれているのが大きな特徴です。
実際、全国でハローワークに登録されている看護職関連の求人数は約7万件以上(2か月累計)あり、日々更新される大量の求人情報から、自分に合った条件のものを探しやすい環境が整っているといえるでしょう。
このように、情報の新鮮さ・更新頻度の高さは、ハローワークを活用する看護師のメリットのひとつです。
看護師がハローワークを使う際のデメリット

ハローワークは公的機関として安心感があり、地域密着型の看護師求人情報を得られる一方で、看護師の転職活動においては注意すべきデメリットも存在します。
特に看護師求人情報の鮮度やサポート体制などは、民間の看護師求人サイト(看護師専用の転職エージェント)と比べて不十分に感じられる場合があります。以下では、ハローワークを利用する際に知っておきたい看護師のデメリットについて解説します。
看護師の求人数が限られている地域もある
ハローワークは全国に拠点がありますが、その看護師求人の数と種類は地域によって大きく異なります。特に地方の小規模な市町村では、看護師の求人が少ないことや、病院・施設の数自体が限られていることから、希望する職種・勤務形態の求人が見つかりにくい傾向があります。
また、都市部と異なり、医療法人や大規模病院が民間の看護師求人サイトにしか掲載していないケースもあるため、「ハローワークにだけ頼る」ことで選択肢が狭まる可能性もあります。
実際、厚生労働省が公表している「職業安定業務統計」においても、職種別・地域別に有効求人倍率のばらつきが見られます。たとえば、保健師・助産師・看護師を含む分類では、令和6年11月時点での全国平均の有効求人倍率は約2.52倍となっており、看護職全体で見れば売り手市場といえます。
しかしこの倍率も、都市部と地方とでは大きく異なる場合があり、特に過疎地域や医療機関の少ないエリアでは求人自体が極めて少ないこともあります。つまり、統計上は高倍率でも、実際に応募できる求人が「地元にはない」というケースも十分に考えられるのです。
こうした背景からも、ハローワークだけでなく、民間の看護師求人サイト(看護師専用の転職エージェント)を併用し、幅広い情報にアクセスすることが重要です。
条件交渉などのサポートが弱い
ハローワークでは基本的に「看護師の求人情報の紹介」と「応募サポート」までが主な役割であり、条件交渉や職場の内部情報の提供といったサポートは、あまり期待できません。
たとえば、看護師として「残業時間を減らしたい」「給与をもう少し上げたい」「夜勤は行いたくない」などの要望があっても、それを代わりに施設側に伝えてもらえることは基本的にありません。そのため、看護師自身が自分で求人先に直接問い合わせることや、面接時に確認・交渉する必要があります。
一方、民間の看護師求人サイト(看護師専用の転職エージェント)では、担当アドバイザーが給与交渉や勤務形態の希望を代行して伝えてくれることが一般的です。そのため、看護師は条件面を重視する場合には、ハローワークのサポートでは不十分に感じられることがあるでしょう。
求人情報の詳細が少ない場合もある
ハローワークに掲載されている看護師の求人票は、全国共通の定型フォーマットが用いられているため、記載できる情報に限りがあり、内容が簡素に感じられることがあります。特に看護師のように職場環境や体制が重要視される職種においては、以下のような詳細が不十分なケースが多く見られます。
- 職場の雰囲気や人間関係
- 看護体制(例:2交代制・3交代制、チームナーシングの有無)
- 教育・研修制度の有無や内容
- 有給休暇の取得状況や残業の実態
- 配属先の確定状況(病棟/外来/訪問看護 など)
これらの情報は、求人票だけでは判断が難しいため、面接時に自分で質問する必要があるケースも少なくありません。
一方、民間の看護師求人サイト(看護師専用の転職エージェント)では、専任のキャリアアドバイザーが医療機関を実際に訪問し、内部事情や働くスタッフの声をもとに「現場のリアルな情報」を提供してくれることが一般的です。そのため、求人票以上の具体的な情報(例えば、看護部長の方針や職場の年齢層など)を事前に知ることができるのは、民間サービスならではの強みです。
また、職場見学が可能かどうかも、ハローワークの求人票では明記されていない場合があります。
こんな看護師におすすめ!ハローワーク向きの人とは

看護師の転職活動には、民間の看護師求人サイト(看護師専用の転職エージェント)など多様な手段がありますが、すべての方にハローワークが向いているとは限りません。ハローワークの特性を理解したうえで、自分に合った利用方法を見つけることが大切です。以下では、特にハローワークの活用に適していると考えられる看護師のタイプを4つの観点から紹介します。
地元で働きたい・Uターン転職希望の看護師
ハローワークは全国の各地域に拠点があり、その地域に密着した看護師の求人情報を数多く取り扱っているのが最大の特徴です。たとえば、地元で家庭を支えながら働きたい看護師の方や、地方へのUターンを考えている看護師の方にとっては、ハローワークでしか出会えない求人が見つかる可能性が高くなります。
さらに、Uターン転職に向けたサポート体制として「ふるさとハローワーク」などの制度も整備されています。
「ふるさとハローワーク」とは、厚生労働省が地方自治体などと連携して設置している、小規模なハローワーク出張所(サテライト拠点)です。正式には「地域職業相談室」と呼ばれ、主にハローワーク本所が遠方にある地域や中山間地・離島などに設置され、住民が身近な場所で就職支援を受けられるようにすることを目的としています。
参照:ふるさとハローワークについて(厚生労働省)
都市部でのキャリアを活かしつつ地元で再出発を目指す看護師にも心強い支援があると言えるでしょう。
自治体や希少価値の高い求人を求める看護師
自治体や地域密着型の医療機関とのつながりが強いハローワークには、民間の看護師求人サイト(看護師専用の転職エージェント)では扱われていない希少な求人が掲載されていることがあります。特に地方の医療機関や福祉施設、または自治体が直接募集する保健師・看護師職などは、ハローワークにしか求人を出していないケースも少なくありません。
たとえば、次のような施設・団体では、ハローワークを主な求人窓口として活用している傾向があります。
- 地方自治体(市役所・保健所など)による臨時的任用職員の募集
- 小規模なクリニックや個人経営の診療所
- 地域の訪問看護ステーションやデイサービス施設
- 社会福祉法人や医療法人グループの一部求人
これらの求人は、「募集人数が1~2名のみ」「地元在住者優先」などの条件がつくこともあり、人ぞ知る“穴場的な看護師求人”とも言えます。また、こうした希少求人は看護師求人サイトでは露出が少ないため、競争率が低く、地元で長く働きたい方や、安定志向の方にとっては理想的な転職先になることもあります。
自治体が採用する看護師・保健師の場合は、地方公務員・みなし公務員であることもあり、「地域医療に貢献したい」「安定した働き方をしたい」と考えている方にとっては、特に見逃せない選択肢となるでしょう。
ブランクから復職を考えている看護師
出産・育児・介護などによって一時的に現場を離れた看護師が再び働きたいと考えたとき、ハローワークは非常に有用な支援機関となります。
特に、以下のような制度や支援が用意されており、看護師としてもブランク明けでも安心して復職に向けた準備ができるようになっています。
- 再就職支援セミナー・職業訓練の実施
- 子育て世代向けの「マザーズハローワーク」
- 復職支援特化の求人や、短時間正職員制度の案内
「マザーズハローワーク」では、保育所や学童保育の情報提供、子連れでの相談対応など、家庭との両立を前提とした職探しができる環境が整っています。
また、実際職場に復帰するための医療・看護に関する講習、実際の医療機器を使った技術演習などは、「ナースプラザとハローワーク連携事業」で行っているエリアもあります。
じっくり求人を探したい・失業手当も受けたい看護師
急いで次の職場を見つけるのではなく、「少し時間をかけて自分に合った職場を選びたい」と考えている看護師にとっても、ハローワークの活用は非常に有効です。
ハローワークでは、求職活動の一環として看護師として「職業相談」や「求人紹介」を受けることができ、これを通じて失業手当(雇用保険)を受けながら転職活動を進めることができます。
この失業手当(基本手当)の受給には、以下のような条件とプロセスがあります。
- 離職前の勤務期間(被保険者期間)が一定以上あること(一般的には12か月以上)
- ハローワークで求職申込を行い、「失業の状態」にあること
- 原則として4週間に1回、失業認定を受けること
また、早期に就職が決まった場合には「再就職手当」という形で、最大70%相当の手当金が支給される制度もあります。(詳細は、「雇用保険制度|厚生労働省」を確認してください。)
このように、急ぎすぎず冷静に職場選びをしたい看護師の方にとって、経済的なサポートを受けながら活動を進められるのは、ハローワークならではの大きな利点です。
ハローワークの求人を上手に活用する方法

ハローワークを活用して看護師としての転職活動を成功させるためには、ただ看護師求人を検索するだけでは不十分です。公的機関ならではのサポート体制を活かし、自分の状況に合った支援を受けることで、より精度の高いマッチングが可能になります。(ハローワークの看護師求人検索は当サイトの「ハローワーク看護師求人の詳細検索」が便利です。)
以下では、看護師がハローワークを「使いこなす」ための具体的なコツを3つの視点から紹介します。
窓口での相談をフル活用するコツ
看護師がハローワークに足を運んだら、まず活用したいのが「職業相談窓口」です。
求人検索端末で看護師求人を探すこともできますが、窓口での相談はハローワーク最大の強みと言えます。特に看護師のように専門性の高い職種では、担当者との対話によって、自分では気づかなかった適職や非公開求人の紹介を受けられることもあります。
フル活用するためのコツは以下の通りです。
- 事前に看護師としての職務経歴や希望条件をメモして持参する
→相談がスムーズに進み、適した求人を紹介してもらいやすくなります。 - 看護師として「何が譲れない条件か」「妥協できる点は何か」を明確にしておく
→アドバイザーとの情報共有が的確になり、ミスマッチを減らせます。 - 「今すぐ転職したい」か「良い職場があれば転職したい」かのスタンスも伝える
→紹介ペースや支援の内容が変わってくるため重要です。
また、ハローワークの相談員は履歴書・職務経歴書の添削や、模擬面接、言い回しのアドバイスなども対応してくれます。時間が許す限り、できるだけ相談窓口を活用することをおすすめします。
「看護師専門の相談員」がいるか確認する
すべてのハローワークに看護師専門の担当者がいるわけではありませんが、大きなハローワークや都市部の拠点には、医療・福祉分野に特化した「専門援助部門」や「福祉人材コーナー」が設置されていることがあります。
こうした専門支援部門(看護)の窓口では、以下のような支援が受けられます。
- 看護師資格や勤務経験に基づいたキャリア相談
- 医療・福祉施設との独自パイプを活かした求人紹介
- 訪問看護、介護施設、保健師求人など多職種の紹介
特に「医療機関とのつながりが強い相談員」がいる場合は、職場の雰囲気や人間関係など、表に出てこない情報を持っていることもあります。
拠点によっては「医療介護就職デイ」などの特化イベントや合同説明会が開催されており、そういった情報も相談員経由で早く入手できるため、窓口に行った際には必ず「看護師対応の担当者はいますか?」と確認することをおすすめします。
並行して看護師求人サイトも活用する
ハローワークの支援だけでは看護師求人の選択肢が限られる場合もあるため、民間の看護師求人サイト(看護師専用の転職エージェント)と並行して利用するのが理想的です。
特に以下のようなケースでは、民間サービスの方が強みを発揮します。
- 大手病院や医療法人の非公開求人を探したい
- 年収や勤務形態などの条件交渉を代行してほしい
- 職場の人間関係・雰囲気といった内部情報を知りたい
- 応募書類の作成や面接対策を個別で受けたい
看護師求人サイトでは、専任のキャリアアドバイザーがつき、希望条件をもとに看護師求人の提案や応募代行まで行ってくれる場合がほとんどです。複数の求人を比較検討しながら、ハローワークにはない情報にもアクセスできるため、総合的な判断がしやすくなります。
大切なのは、「ハローワーク=公的」「看護師求人サイト=民間」と役割を明確に分けて、双方の強みを活かして転職活動を進めることです。どちらか一方に偏らず、同時進行することでより質の高い転職が可能になります。
まとめ:ハローワークは目的に合わせて使い分ける
看護師の転職活動において、ハローワークは民間の転職サイトや紹介会社とは異なる視点から、地域密着型・公的支援の安心感をもってサポートしてくれる貴重な存在です。
この記事で解説した通り、ハローワークには以下のようなメリットがあります。
- 地元やUターン先での求人が探しやすい
- 職業訓練や再就職支援が無料で受けられる
- 失業保険を受給しながら求職活動ができる
- 子育てやブランク明けでも相談しやすい環境がある
- 看護師求人の更新頻度が高い
一方で、「看護師求人数が少ない地域もある」「求人情報が簡素」「条件交渉などのサポートは弱い」といったデメリットも確かに存在します。
だからこそ、ハローワークは「自分の希望条件や状況に応じて、民間サービスと組み合わせて使う」ことが最も効果的です。特に「ブランク明けの復職」「地元での再スタート」「自分のペースでじっくり転職したい」「希少価値の高い求人と出会いたい」といった目的がある看護師の方にとって、ハローワークは心強いパートナーとなるはずです。
公的機関と民間の看護師求人サイトの良いところを組み合わせ、自分に合った職場との出会いを実現していきましょう。