- 勤務先:急性期の総合病院
- 規模/職務:236床/病棟勤務
- 年収:320万円
- 雇用形態:正職員
- 勤務先:慢性期の療養型病院
- 規模/職務:112床//退院調整室
- 年収:450万円
- 雇用形態:正職員
年齢 | 30歳 | 看護師歴 | 2年目 |
---|---|---|---|
転職回数 | 1回目 | 転職活動期間 | 6ヶ月(在職中) |
目次
看護師の転職理由 / 転職を考えたきっかけは?
最初に看護師として転職を決意した理由は、「子どもが小学生になり、通勤時間を考慮して自宅から近い病院で働きたい」というものでした。これが私にとって最も大きな転職理由でした。
また、以前勤務していた病院は看護専門学校の附属病院で、自宅から少し距離があったものの、お礼奉公のために就職せざるを得ませんでした。3年間勤務することで奨学金の返済が全額免除される制度があり、「1年半働けば奨学金が半額免除になる」というタイミングで転職を決意しました。
さらに、ローテーション勤務や充実した看護教育のおかげで、「他の病院の新人看護師よりも集中的に看護技術や知識を身につけられた」という自信も、転職を後押しする要因となりました。
転職に際して重視した希望条件としては、「看護師として働ける(資格を活かせる)」ことが最も重要でした。
看護師転職する際の希望条件はありましたか?
私は、看護師として体調を崩した経験や子どもへの影響を考慮し、次の条件を満たす職場を探していました。
- 夜勤がないこと
- 定時退勤ができること
- 9時始業の職場であること
- 子どもに関する急な勤務変更に柔軟であること
- 車通勤が可能、または自宅から近いこと
さらに、私はシングルマザーであるため、家庭の事情から現在住んでいる愛知県ではなく、東京都での転職を余儀なくされました。
転職活動方法や求人の探し方は?
私が希望していたすべての条件に合致する看護師の転職先を見つけることは、非常に困難でした。
また、私が勤務していた看護専門学校の附属病院が有名で、地元での転職を考えた場合、転職先の病院から歓迎される雰囲気がありました。しかし、県外での転職となると、そのような優遇されることはなく、面接では看護師としての経験年数が少ない点を指摘されることが多く、様々な条件を提示される病院が多かったです。
そのため、看護師免許を活かして働くことができる一般企業なども視野に入れ、幅広く転職先を探すことにしました。これは看護師としての選択肢が広がる一方で、逆に候補が多すぎて絞り込みに時間がかかるという課題も生まれました。
看護師として最終的にはハローワークを活用
最終的には、市役所の就労支援とハローワークを活用し、ハローワークの求人を探しながら転職活動を行いました。
市役所の就労支援では、市の職員という立場から市内の病院について詳しい情報を得ることができました。「ここの看護師はいつも丁寧だ」「ここには評判の良い医師がいる」など、内部情報を教えてくれる点は非常に助かりました。しかし、対応が遅いと感じることも多く、特に「面接に行けるかどうか」などの連絡待ちが長く感じられた点は、改善が必要だと思いました。
一方、最寄りのハローワークでは、自分でパソコンを使って求人を検索でき、気になる転職先が見つかれば、担当者が面接の調整まで行ってくれることが便利でした。また、履歴書や職務経歴書の作成についてもアドバイスをもらえた点は非常に有益でした。
ただし、ハローワークの利用時間が平日の決められた時間に限られていることや、求人に関する詳細な情報を得ることが難しいというデメリットもありました。
転職後の看護師の仕事はいかがですか?
これまでの看護師経験では、動き回ることや体力が求められるという印象が強かったのですが、退院調整室での業務は「知識を駆使し、それをパズルのように組み合わせて最適な支援を提供する」点で大きく異なりました。
以前は「忙しさ」と「看護師」という立場を強みにしていたため、患者や家族だけでなく、院内外のスタッフや業者に対しても荒々しい態度で接してしまうことがありました。しかし、退院調整業務では、外部関係者とのやり取りが多く、その際の「言葉遣いや気遣い、そして書面でのやり取りに心を込める」ことが重要であると気づき、最初はその違いに戸惑いました。そこで、まずは電話対応から丁寧さを意識するように努めました。
退院調整・支援を行うためには、医療や看護の知識に加え、今まで避けてきた「法律や介護保険、障がい者福祉などの制度に関する知識」も必要でした。過去の教科書を引っ張り出して学び直し、法改正や診療報酬の改定のたびに再学習することも欠かせません。また、外部関係者との関係を築くために、講習会に参加したりケースカンファレンスを開催するなどの活動も行いました。
現在では、以前は理解できなかった制度について、患者や家族にわかりやすく説明できるようになり、彼らのニーズに応じて一緒に退院後の最適な場所を探すお手伝いもできるようになりました。退院調整室での業務は、看護師としての業務とは少し異なるもので、転職前には予想もしていなかった部署ですが、今ではやりがいを感じ、楽しく働いています。
退院調整の業務で苦労したのは、制度に関する学習です。教科書だけでは理解が難しい部分があり、実際の業務を通じてケアマネジャーや市役所の担当者に直接質問することで理解を深めました。患者や家族に説明する際も、できるだけ資料に頼らず自分の言葉で伝えるようにしており、彼らが理解できたときの表情を見るたびに、自分の成長を実感しています。
振り返って失敗したと思うことはありますか?
今回、ようやく希望に合う職場を見つけたため、給料の提示があった際に交渉をしませんでした。正直、少し少ないかなとは感じましたが、看護師手当がついていたこともあり、その当時は納得していました。
しかし、実際に入職してみると、業績の影響で基本給の昇給が数年間止まっていることや、昨年のボーナスが少なかったことがわかりました。すでに2年目に入りましたが、やはり昇給はなく、このまま同じ基本給が続くかと思うと、最初に交渉しておくべきだったと後悔しています。
とはいえ、自分の現在の立場や仕事内容が、病院の業績に大きく影響していることは事前に聞いており、「頑張れば給料が上がるかもしれない」という期待が励みになっています。実際、今期の夏のボーナスは、例年よりも0.2か月分多く支給されました。
最後に転職活動中の看護師の方へアドバイスをお願いします
私は「退院調整・退院支援看護師になりたい!」と強く思って転職活動を始めたわけではありません。偶然、転職先として選んだ慢性期の療養型病院で退院調整室に配属されたことがきっかけで、退院調整・退院支援看護師としてのキャリアが始まりました。
もし退院調整室のある病院で働きたいと考えているのであれば、そのような病院を積極的に探し、面接を受けることをお勧めします。配属や異動の可能性が高まるため、目指すキャリアに近づくチャンスです。
一方で、働きながらの転職活動は、「まだ決まらなくてもいいかな」と思いつつ、次第に面倒に感じてしまい、「もうこの病院でいいか」と妥協しそうになることもあります。
看護師求人サイトを利用する際には、担当者(転職エージェント)が熱心に勧めてくる転職先もあります。中には自分の希望条件に完全には合致しないこともあり、その強い勧誘に負けそうになることもありました。
今回の転職活動では、自分の希望を曲げることはありませんでしたが、次に転職する機会があれば、同じように自分の意志を貫きたいと思っています。