- 勤務先:大学病院
- 規模/職務:1100床/ICU勤務
- 年収:460万円
- 雇用形態:正職員
- 勤務先:総合クリニック
- 規模/職務:0床
- 年収:410万円
- 雇用形態:正職員
年齢 | 30歳 | 看護師歴 | 3年目 |
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転職回数 | 1回目(初めての転職) | 転職活動期間 | 3ヶ月(在職中) |
目次
看護師として今までのキャリアを教えてください
私は、海外留学や大学編入を経て、27歳で看護学校を卒業し、初めて仕事に就きました。卒業後、系列の大学病院に入職し、希望していたICUでの勤務が始まりました。ICUでは、主に術後の病態管理、一般病棟から重症化した患者のケア、救急外来から一般病棟へ移送されるまでの急性期管理を担当していました。
また、呼吸器や透析などの医療機器を使用する機会も多く、早期離床にも注力していました。病態に合わせたリハビリも看護業務の一環であり、急変時の対応については、常に勉強を重ねていました。
教育体制としてラダー制度が導入されており、私は1年目でラダーⅠを取得しました。看護技術としては、採血、点滴投与、吸引などの基本的な技術を習得しました。2年目以降は、重症患者を担当する機会が増え、看取りや移植患者のプライマリーケアも経験しました。
看護師の転職理由 / 転職を考えたきっかけは?
大学病院では看護師1年目からしっかりとした教育を受け、ゆっくりではありましたが無事に1年目を終えることができました。
しかし、2年目になると先輩看護師のサポートが減り、より重症な患者を担当する機会が増えました。その結果、看護のやりがいを感じるよりも、次第に仕事の辛さが増していきました。さらに、個人的にインシデントが多発し、それを克服できなかったことが最大の転職理由です。
また、人間関係の面でも、看護師長との相性が合わず、いつも過度に緊張しながら働く状況が続いていました。この状態では長く働けないと感じていたことも、転職を考えた理由の一つです。
こうした理由から、2年目が終わる頃(3年目)に転職を決意し、秋頃から転職活動を始めました。
大学病院からクリニックを選んだ理由
大学病院での勤務により、精神的にも体力的にも疲弊していたため、日勤のみの仕事を希望し、自分の生活リズムに合った職場を探しました。
そこで、看護師としてクリニック勤務が自分に合っているのではないかと考えました。また、土日祝日休みを希望していましたが、条件に合う求人が少なかったため、日曜・祝日と平日の休みが取れるクリニックを選びました。
転職活動を進める中で、各クリニックの面接スタイルが異なることに気づきました。
多くのクリニックでは経営者である医師や共同経営者が面接を担当していましたが、転職した総合クリニックでは、上司である看護師長が面接を行い、職場体験の機会も設けてくれました。実際の職場の雰囲気を体験できたことや、自分が働いている姿をイメージできたことが、現在の総合クリニックを選んだ決め手です。
看護師の求人はどうやって探しましたか?
私は大学病院で勤務中に転職活動を行ったため、看護師転職サイトの「レバウェル看護(旧 看護のお仕事)」を利用してクリニックの求人を探してもらいました。
「レバウェル看護」を利用したものの、夜勤明けや休日に面接を受けたり、担当者とメールや電話でやり取りをするのが大変で、休みが潰れてしまうのが辛かったです。
転職活動は秋頃から始めたため、4月入職に向けて焦ることなく、さまざまなクリニックの面接や見学に行くことができました。また、自分がどのような職場に転職したいかをじっくり考える時間も取れたことが良かったです。
看護師転職サイトを利用して良かったことはありますか?
「レバウェル看護」を利用して良かった点は、自分の希望条件に合った職場を探してもらえたことや、職場の雰囲気や評判といった、面接者には知りづらい情報も教えてもらえたことです。
さらに、内定を辞退する際に、担当者がその旨を伝えてくれる点も便利だと感じました。
看護師転職サイトを利用する際に注意したことはありますか?
「レバウェル看護」の担当者との連絡は、頻繁かつ丁寧に行うよう心がけていました。私は転職先のクリニックの検索をすべて担当者にお願いしていたため、担当者が希望に沿ったクリニックを探しやすいように、希望条件を明確に伝えることを徹底しました。
また、担当者は他の看護師の転職支援も同時進行しているため、一緒に転職活動を頑張りたいと思ってもらえるよう、誠実に対応することを意識していました。
転職後のクリニックの仕事内容を教えてください
これまでの大学病院では、点滴やモニター管理、ベッド上安静がほとんどの患者を看護していましたが、現在はクリニック通院できる患者や健康診断を受けに来る患者への対応が中心となり、仕事内容が大きく変わりました。
患者さんの重症度が下がったことで、コミュニケーションを取る機会が増え、その結果クレーム対応なども行うようになりました。また、大学病院のICUではAラインを挿入されている患者が多かったため、現職では採血する患者が増えました。
さらに、クリニックの面接時に聞いていた通り、看護師免許が不要な業務も含まれています。具体的には、職場の掃除や物品管理、書類整理などの雑務も担当しています。
幸いなことに、クリニックでは珍しく、同時期に入職した同世代の同期が3人おり、一緒に業務を覚えていけたことは非常に助かりました。
ただし、患者の生活管理指導など、大学病院ではあまり経験しなかった教育指導に難しさを感じています。
現在勤務しているクリニックでは、糖尿病管理指導や禁煙管理指導を行っていますが、患者が自宅で実践しやすく、わかりやすい説明ができるよう日々勉強を続けています。
看護師転職を振り返って失敗したと感じたことはありますか?
これは看護師のクリニック転職においての特有の話かもしれませんが、院長である医師のワンマン体制や、資格を持たない家族が経営に関わっている場合には注意が必要だと感じました。
現場の実情を知らない経営者は、利益を優先するあまり、診療科の増設や人材を非常勤で間に合わせるといった短期的な視点を持ってしまうことがあります。
結果として、現場の事情を理解していれば防げたはずの問題が現実に起こることがあるのです。
特に、医療知識のないスタッフとのトラブルは頻繁に発生し得ます。
転職活動中の看護師の皆さんへアドバイス
私のように大学病院からクリニックへ転職すると、プライベートの時間が確保でき、暮らしに困らない程度の給与を得られる職場が多く、長く働けるという魅力を感じるかもしれません。
しかし、現在勤めている個人経営のクリニックでは、理事長が引退した後の展望が不透明で、経営に対する不安を抱えています。家族経営のため、娘である副理事長は有資格者ではなく、信頼性に欠ける部分もあり、長く働き続けられるクリニックではないと感じています。
そのため、大学病院や規模の大きな病院からクリニックへの転職を考える際は、母体の規模が大きく、経営が安定しているクリニックを選ぶことをお勧めします。そうすることで、ギャップを感じにくくなるでしょう。また、クリニックでは看護師資格が不要な業務も多いことを理解しておく必要があります。
さらに、クリニックでの給与は大学病院や総合病院ほど高くないことが一般的です。そのため、内視鏡検査技師や英語など、自分のスキルを高めるための資格取得を目指し、転職時に少しでも給与アップに繋がるよう勉強しておくことを強くお勧めします。
最後に、できるだけ長く働き続けられる職場を選ぶことを念頭に置き、慎重に転職活動を進めてください。