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在宅診療・緩和ケアクリニックへ看護師転職・10年目・33歳の体験談

在宅診療・緩和ケアクリニックへ看護師転職・10年目・33歳の体験談
   

ハローワーク(職業安定所)を活用して転職・就職した看護師の体験談です。

病院勤務を続ける中で、臨床の現場で限界を感じたことが、看護師としての転職の大きなきっかけとなりました。どれだけ尽力しても、患者さんの「自宅に帰りたい」という願いが叶えられない場面が続き、無力感を覚えるようになりました。病院で最期を迎える姿を見送るたびに、「もっとできたのでは」と悩み続けていました。

あんな 看護師
あんなさん(看護師 / 33歳 / 女性 / 看護歴10年目)
前職
  • 勤務先:がん専門病院
  • 規模/職務:外来勤務
  • 年収:約370万円
  • 雇用形態:正職員
転職後
  • 勤務先:在宅診療・緩和ケアクリニック
  • 規模/職務:看護師9名
  • 年収:約320万円
  • 雇用形態:正職員
年齢 33歳 看護師歴 10年目
転職回数 3回目 転職活動期間 2ヶ月(離職中)

看護師として今までのキャリアを教えてください

私の看護師としてのキャリアは、臨床での転職経験が1回のみです。新卒看護師として入職したのは、規模の大きい総合病院であり、そこで6年間の病棟勤務と2年間の外来化学療法センター勤務を経験しました。病棟勤務の中での異動は、病院側の都合によるものもありましたが、自身としてもがん診療に関する幅広い知識と技術を身につけたいという思いから、積極的に異動を希望した部分もあります。

病棟では、主に化学療法に特化した2つの病棟と、外科病棟を担当しました。その中で、がん治療の中核である外科治療、化学療法、放射線治療、緩和ケアといった各領域の基本的な看護知識と技術を習得しました。また、さまざまな年齢層や異なるがん種の患者さまと関わる中で、がん看護は一括りにできるものではないという実感を得ました。

看護体制の中では、2年目からプリセプターとして後輩指導を担当し、3年目には日勤のリーダー業務、4年目からは夜勤のリーダー業務にも従事しました。5年目以降は、看護師チームのサブリーダーを務め、チーム全体の運営にも携わりました。また、3年目以降は病院内の委員会活動にも参加し、院内の看護の質向上にも取り組みました。

勤務先では看護師のキャリア支援制度として「ラダー制度」が導入されており、私は病棟勤務中にラダーレベルⅢを取得しました。加えて、各種がん治療に関する年間の院内研修にも積極的に参加し、4つすべてのプログラムを修了しています。

その後、外来化学療法センターへ異動し、入院治療とは異なる視点から、社会生活を送りながら通院治療を受ける患者さまへの看護について学ぶことができました。これにより、がん患者への継続的かつ包括的な看護の重要性を再認識することができました。

看護師の転職理由・転職を考えたきっかけは?

私が看護師として転職を考えたきっかけは、がん診療に関する看護実務を一通り経験し、プリセプターやリーダー業務を含む看護チーム内での役割、さらには病棟・病院全体の運営に関わる業務まで担うようになったことです。患者さまのケアよりも、組織運営に関する仕事が増えるにつれ、現在の病院で働き続ける意義を見出せなくなっていきました。

転職を決意した一番の理由は、看護管理職として昇進を目指すことよりも、臨床現場で患者一人ひとりに向き合う「看護実践」への関心の方が強かったからです。多くの信頼できる上司・先輩・同僚・後輩、他職種の仲間に恵まれていたものの、仕事上の目標が明確でないまま勤務を続けることは、時間を浪費してしまうのではないかという懸念があり、新たな道に進む決断をしました。

また、病院内での人間関係も転職理由の一つとなりました。どの職場にも起こり得ることかもしれませんが、ポジション争いや責任の押し付けといった組織内の雰囲気が、自分にとって大きなストレスとなっていました。とくに、仲の良かった人同士の間で対立が生じ、自分がその板挟みになる状況が続いたことで、精神的な負担を強く感じるようになりました。

さらに、臨床現場での限界を実感したことも転職の動機です。どれだけ尽力しても、患者さまの希望を叶えられない場面に多く直面しました。たとえば、退院して自宅で過ごすことを望む患者さまが、願い叶わず病院で最期を迎えるケースが繰り返される中で、深い無力感を抱いていました。

このような経験を通して、「何が課題なのか」「本当に必要な医療とは何か」を客観的に捉え直したいという思いが強くなり、退職後の2年間は医療制度や地域医療について机上で学ぶ期間に充てました。その中で見えてきたのは、

  • 地域の受け皿不足
  • 医療機関間の連携不足
  • 病院側が患者を手放しにくい構造

といった複数の要因が、患者の希望を叶えにくくしている可能性があるということです。

そのため、次の転職先として選んだのは病院ではなく、「在宅緩和ケア」に特化した施設です。在宅医療の現場で、患者さまの最期をその人らしく迎えるための支援がどこまで可能なのかを、自分の目で確かめたいと思ったからです。

転職活動の方法や看護師求人の探し方は?

今回の転職活動では、自分自身で一つひとつ病院やクリニックを調べながら、「在宅緩和ケアクリニック」の看護師求人を探しました。その理由は、いわゆるマグネットホスピタルのように、患者や職員が離れず定着する“良い医療機関”は、求人情報として広く掲載されにくいという考えを持っていたからです。

実際、私が理想とするようなクリニックは、広告費や採用費をかけていないケースが多いと感じました。看護師が自然と集まってくるような職場ほど、積極的に広報・募集をかけていない傾向があり、そのような施設の求人情報は自ら直接探す必要があります。

在宅診療や緩和ケアを行うクリニックを一覧で網羅して閲覧できるような看護師向けの情報源は少なく、条件に合う施設を探す作業にはかなりの時間と労力がかかりました。

もちろん、ハローワークの求人も併用はしましたが、それだけでは情報が不十分でした。多くの医療施設では、採用情報を自施設の公式ホームページ上の「職員募集」ページにしか掲載していない場合があり、各施設のWebサイトを個別に確認しながら、求人の有無を調べる必要がありました。

このように、自分に合った職場を探す過程には時間がかかりましたが、最終的に希望していた在宅診療・緩和ケアクリニックに転職できたことは、大変満足しています。

転職後の在宅診療・緩和ケアクリニックの看護師の仕事はいかがでしたか?

転職後に勤務した在宅診療・緩和ケアクリニックでの看護師業務は、以前勤務していた病院の外来化学療法センターでの仕事内容とは大きく異なっていました。

最も大きな違いは、在宅診療では看護師が医師の訪問に同行し、あくまでも補助的な立場となる点です。病院勤務時代には、看護師としての判断で患者対応を行う機会が多くありましたが、在宅診療の現場では、そうした「看護師独自の判断」で動く場面はほとんどなくなりました。その分、責任の重さは軽減されましたが、看護師としての主体性が発揮しづらく、やや物足りなさを感じることもありました。

主な業務内容としては、点滴の実施や簡単な内科的・外科的処置の補助、そして多職種との連携・調整などが中心です。病院では看護師が比較的独立して業務を進めていたのに対し、在宅では医師とのペア体制が基本となり、役割の違いを大きく感じました。

また、病院勤務時代は常に多くの患者さまに対応していたのに対し、在宅緩和ケアクリニックでは一人ひとりの患者さまにじっくり時間をかけて関わることができる点も大きな違いでした。これは病院勤務ではなかなか得られない「贅沢な看護体験」であり、個別性の高いケアを実践する貴重な機会となりました。

訪問件数が少ない日には、診療所に戻って電話対応や事務的な雑務を行う時間もありました。また、空き時間には臨床で生まれた疑問について調べる時間を確保することもでき、業務の中で学びを深める余裕がある点は、在宅診療ならではのメリットだと感じました。

看護師としての仕事へのやりがいについて教えてください

看護師としてのやりがいを感じたのは、在宅診療クリニックでの勤務において、たとえ医師の診療補助が主な役割であっても、看護師の存在がなければ医療が成り立たないと実感できた瞬間です。看護師が主体的に判断して動く場面は少ないものの、チームの一員として患者さまに間接的に最善の医療を提供しているという誇りがあります。

たとえば、医師が診療方針に迷った際に、看護師が相談相手となり、共に話し合って最適な方法を導き出すことがあります。最終的に患者さまへ提案するのは医師ですが、その過程において看護師の視点が大きく影響している場面も多く、看護師としてチーム医療に貢献している実感が得られます。

また、患者やご家族からの電話対応においては、トリアージの判断や訪問の必要性を見極める役割も担っています。こうした場面では、限られた情報から状況を的確に把握し、医師や他職種と連携して訪問の可否を判断する必要があり、非常に高度な判断力が求められます。うまく調整ができたときには、大きなやりがいを感じました。

在宅医療では特に、患者さまが置かれている環境や、ご家族の有無、生活スタイル、価値観などが一人ひとり異なります。その中で、看護師は医師よりも長く患者さま・ご家族と関わる機会が多く、医療的なケアに加えて、生活背景や環境を含めた総合的な観察と判断が求められます。こうした観察に基づき、その方に合った指導やサポートを行うことも、在宅看護における重要な役割であり、大きなやりがいのひとつです。

転職活動を振り返って失敗したと思うことはありますか?

転職活動を振り返って失敗だったと感じる点は、通勤環境と職場の教育制度について事前に十分な確認ができていなかったことです。

まず、通勤についてですが、転職後は初めて朝の満員電車での通勤を経験しました。それまでの職場では比較的空いている時間帯や路線で通勤できていたため、満員電車によるストレスは想像以上に大きく、毎朝の通勤が大きな負担となってしまいました。転職先を選ぶ際に、勤務場所や最寄駅だけでなく、「通勤時間帯の電車の混雑状況」まで調べておけばよかったと後悔しています。これは小さなことのようで、日々の働き方に大きく影響する要素だと実感しました。

また、教育体制についても誤算がありました。私は病院勤務しか経験がなく、病院で当たり前のように整っていた教育制度やOJTが、他の医療機関にもあるものだと無意識に思い込んでいました。しかし、転職先の在宅診療・緩和ケアクリニックでは、ほぼすべての業務知識や技術習得が「自己学習」ベースで求められ、入職当初は戸惑いました。

在宅医療に関わるスタッフはバックグラウンドもさまざまで、画一的な教育が難しいことは理解していますが、それでも安全な医療提供や質の担保のためには、一定の教育体制が必要だと感じました。この点については、転職前に確認し、期待値のすり合わせをしておくべきだったと反省しています。

転職活動中の看護師の方へアドバイス

私自身の転職経験を振り返ると、次回もし看護師として転職活動を行う機会があれば、ハローワークや各医療機関の求人情報をより丁寧に活用したいと考えています。自己判断だけで転職先を探したことで、通勤環境や教育体制など、事前には気づけなかった点でギャップを感じる場面がいくつかありました。

求人情報を幅広く確認していく中で、条件に合った医療機関を見つけるだけでなく、自分では気づかない盲点、たとえば通勤ストレスや教育制度の有無、職場の雰囲気などについても、客観的に整理することが重要だと感じました。

結果的に、就職後の満足度や職場とのミスマッチを防ぐことにもつながると感じており、「自分で探す力」と情報整理をバランスよく行うことが、看護師転職を成功させる大切なポイントだと思います。

転職先を選ぶ際は、複数の求人情報を比較しながら条件を整理することが重要です。

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