- 勤務先:急性期病院
- 規模/職務:800床
- 年収:約600万円
- 雇用形態:正職員(常勤)
- 勤務先:住宅型有料老人ホーム
- 規模/職務:40床
- 年収:約240万円
- 雇用形態:非常勤(パート・アルバイト)
| 年齢 | 39歳 | 看護師歴 | 17年目 |
|---|---|---|---|
| 転職回数 | 1回目 | 転職活動期間 | 1ヶ月(離職中) |
目次
看護師として今までのキャリアを教えてください
私は新卒で急性期病院に就職し、看護師として消化器外科病棟や外来化学療法室で勤務してきました。勤務7年目に大学院へ進学するため一度退職しましたが、修了後に再び同じ病院に戻り、現場での看護を再開しました。その後、がん看護専門看護師の資格も取得しています。
また、主任という管理職として5年間勤務し、チーム運営や後輩指導にも携わってきました。
私はこれまで主に看護師として外科系の部署に勤務しながら、緩和ケアや化学療法など、がん看護という専門分野での知識と経験を深めてきました。主任職を経験したことで、看護師としてだけでなく、管理職としての視点も持ちながら、より幅広い視野で業務に取り組めるようになったと感じています。
看護師の転職理由・転職を考えたきっかけは?
私が看護師として転職を決意した理由は、大きく分けて次の2点です。
- 家庭に比重を置こうと考えたため
- 子どもを妊娠していたため
中でも「家庭に比重を置こうと思ったこと」が、看護師として転職を考える最大のきっかけとなりました。
私は、転職前の勤務先では、がん看護専門看護師として、また主任職として責任ある立場にあり、学びの途中であることややりがいのある仕事であることは十分に理解していました。しかし、連日の残業や会議は個人の工夫では乗り越えられず、次第に限界を感じるようになっていました。
退職に至るまでの経緯
私の上の子が小学生になるタイミングでもあり、平日は20時を過ぎて帰宅し、ただ寝かしつけるだけの生活に疑問を感じていました。看護師の仕事をしていると子どもとしっかり向き合えないことに悩み、夫とも何度も話し合いを重ねました。
夫より看護師の私の方が職場を変えることができる柔軟性が高く、転職も比較的しやすい立場にあったため、最終的には子供のために私が退職を決断しました。(数年前から、仕事と家庭の両立に対する不安は感じており、「このままでは看護師として長く働き続けるのは難しい」と思っていたことも、もちろん影響しています。)
その一方で、がん看護という専門分野への情熱や、管理職として組織から期待されている実感もあり、現在の職場の退職になかなか踏ん切りがつかずにいました。
新卒看護師の時代からずっと同じ病院で働いてきた私にとって、退職は非常に大きな決断でした。加えて、下の子の妊娠中でもあったことから、「今しかないこの時間を、子どもとしっかり過ごしたい」と強く感じ、退職に踏み切ることになりました。
それでも、私は看護師という仕事が好きであり、上の子がお世話になっていた認可保育園に下の子も通わせたかったこともあり、完全な退職ではなく“転職”という選択肢を取りました。
子育てとの両立を考えた転職条件と、初めての転職活動の実際
私は前職で中間管理職として勤務しており、現場には新人看護師が多く中堅スタッフが不足していたため、保育園からの呼び出しや子どもの体調不良による欠勤に対して、なかなか理解を得ることができませんでした。
そうした背景から、転職にあたっては非常勤という形での勤務を希望し、万が一急な休みが必要になった場合でも他のスタッフに大きな負担をかけずに済むよう、スタッフ数が多く、育児中の看護師が働いているなど子育てに理解のある職場を探しました。
初めての転職だったため、2〜3か月はかかると覚悟していましたが、実際には見学と面接を経て、1か月ほどで転職先が決まり、自分でもそのスムーズさに驚きました。
転職後の住宅型有料老人ホームの看護師の仕事はいかがですか?
私は現在、住宅型有料老人ホームで看護師として勤務しています。病院と施設という違いはありますが、看護師としての日々の業務内容は、病棟での勤務と大きくは変わりません。
日勤帯では、内服薬の管理、排泄や保清のケア、褥瘡(じょくそう)の処置などが中心で、これまでの病院勤務で培ったスキルをそのまま活かせています。ただし、病院と異なり、施設には医師が常駐していないため、看護師としての観察力や判断力がより求められると感じています。
また、認知症の方も多く入居されており、体調の変化を的確に言葉で伝えてもらうことが難しい場面もあります。そのため、ほんの小さな変化でも見逃さず、「このあと大きな変化につながるのではないか」と意識しながら日々のケアにあたるようになりました。
転職活動を振り返って失敗したと思うことはありますか?
私は現在、住宅型有料老人ホームで看護師として働いていますが、転職を振り返って「こうすればよかった」と思う点がいくつかあります。
まず、比較的小規模な施設へ転職したため、入居スペースのちょっとした掃除なども、職員の人数によっては看護師が担う場面があります。前職は大規模な急性期病院で、清掃や物品管理などを担当するスタッフや外部業者が複数関わっており、看護師は看護業務に専念できる環境でした。今思えば、そうした業務分担の違いを事前にもっとイメージできていればと思います。
また、転職先の説明不足というよりも、私自身が「どのような働き方をしたいのか」「どんな環境で働きたいのか」といった具体的なイメージを十分に持たないまま面接に臨んでしまったことも反省点の一つです。
もう一つは、私は元々がん看護の分野で長く経験を積んできたため、転職後も多少はその領域に関わりたいと考えていました。現在の施設には「認知症、神経難病、がん末期の方も入居」との説明があり、実際にそういった方もいらっしゃいますが、がん看護の比重はとても少なく、自分の専門性を活かす場面は限られています。
仕事内容や対象となる利用者層の詳細については、転職活動時に私自身があまり優先順位を高く置いていなかったため、結果として納得はしていますが、もし再び転職する機会があるなら、こうした細かい点まで明確に整理してから面接に臨むと思います。
転職活動中の看護師の方へアドバイス
私自身、今後また転職活動を行うとしたら、最初から常勤を目指すか、常勤への移行を視野に入れた非常勤で働くと思います。
もちろん、育児はまだ続いていくため、勤務時間についての希望条件は引き続き重視することになりますが、長期的に働く前提で、自分が経験を積みたい看護領域についても条件としてしっかり考えるつもりです。
そのためには、「どのような患者さんや利用者さんを対象に、どんな業務を担うのか」を、もっと具体的にイメージしながら面接に臨むことが大切だと感じています。業務内容についても、あいまいなまま進めず、詳細まで確認する姿勢が重要です。
今回の転職では、思いのほか早く内定が決まり、転職活動を始めてからわずか1ヶ月程度で就職先が決まりました。そのスピード感自体はありがたかったものの、もう少し落ち着いて自分の希望や働き方を整理してから活動をスタートしてもよかったかもしれない、とも思っています。
転職活動中の看護師の方には、焦らず冷静に、自分にとって大切な条件を明確にしながら進めていくことをおすすめします。