
- 勤務先:大手美容外科・皮膚科クリニック
- 規模/職務:看護スタッフ
- 年収:550万円
- 雇用形態:正職員
- 勤務先:個人の美容皮膚科クリニック
- 規模/職務:看護スタッフ
- 年収:450万円
- 雇用形態:正職員
年齢 | 35歳 | 看護師歴 | 6年目 |
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転職回数 | 3回目 | 転職活動期間 | 6ヶ月(在職中) |
目次
看護師としてのこれまでのキャリアを教えてください
私はこれまでに2回、看護師としての転職を経験しています。
看護学校を卒業後、最初の3年間は一般病棟に勤務し、看護師として必要な基礎知識や臨床技術を習得しました。その後、美容医療に興味を持ち、大手の美容外科・美容皮膚科クリニックへ転職しました。
大手美容クリニックでは3年間勤務し、さらに個人経営の美容皮膚科クリニックへ2回目の転職を行いました。
大手美容外科・皮膚科クリニックでは、看護師・受付・医師など職種ごとに業務分担が明確で、新人教育もプリセプター制度により3か月間しっかり指導されました。
看護師としての主な業務は、各種レーザー照射、点滴・注射、医療機器や薬品の発注・在庫管理、リーダー業務などです。また、在籍2年以上の看護師が新人教育を交代で担当していました。
人間関係の面では課題もありましたが、業務にはやりがいがあり、給与面でも満足していました。ただし、やむを得ない事情により転職を決断しました。
看護師の転職理由・転職を考えたきっかけは?
私が看護師として勤務していた美容外科・皮膚科クリニックは、元旦以外は休診日がなく、日曜・祝日や年末年始・お盆は特に繁忙期であったため、休み希望が出せない職場環境でした。
結婚して子どもがいる私にとって、この勤務体制は家庭と看護師の両立が難しくなり、転職を考える大きなきっかけとなりました。
さらに、職場の看護師同士の人間関係が悪く、仕事中の嫌がらせや陰口が日常的にあり、強いストレスを感じていました。帰宅後も気持ちの切り替えができず、小さな子どもに対してもイライラしてしまうことが多く、育児や家庭に悪影響を及ぼしていると感じるようになりました。
その結果、夫婦関係も悪化し、「働くこと=家族の負担」になっていたのです。
「家族の幸せを最優先にしたい」と考えた私は、休みが取れず人間関係に悩む環境から抜け出し、より良い職場環境を求めて転職を決意しました。
そのため、私が希望した転職先の条件は以下の通りです。
- 家庭優先のライフスタイルが実現できること
- 人間関係のストレスが少ない職場であること
- 日曜・祝日・年末年始に休みがあり、18時までに勤務が終わること
- 手取りで月25万〜30万円程度の給与があること
このような希望条件に合う美容クリニックや医療機関への看護師としての転職を目指しました。
転職活動の方法や看護師求人の探し方は?
私は転職活動の際、複数の看護師専門の求人サイトを活用しました。しかし、私の希望条件はかなり細かく限定的だったためか、担当エージェントからは希望とは異なる医療機関を紹介されることが多くありました。
紹介された中には好条件に見える求人もあり、実際に面接まで進んだこともあります。しかし、実際には私のこれまでのキャリアやスキルが評価されず、一般的なクリニックで不合格となり、時間と労力が無駄になってしまったと感じました。
この経験から、希望条件に合わない求人に応募してしまうと、結果的に遠回りになってしまうと痛感しました。
その後は、あらためて「家庭優先の働き方」「人間関係が良好な職場」「日祝・年末年始休み」「18時までの勤務」「手取り25〜30万円」といった希望条件に絞って探し直しました。
最終的には、給与・勤務時間・人間関係・休日の面で希望にほぼ合致する職場に出会え、私の看護師としての転職は成功だったと感じています。
ただし現職では、医師が非常に神経質で、事務的な手続きや診療介助に関する細かいルールが頻繁に変更されるため、仕事に慣れても常に更新に追われる点は苦労しています。
看護業務というよりは秘書や事務職のように感じることもあり、事務作業は何年経っても得意にはなれません。
とはいえ、私が重視していた「家庭を大切にできる働き方」や「ストレスの少ない人間関係」が実現できているため、現在の職場は自分に合っていると感じています。
大手美容クリニックと個人美容クリニックでの仕事内容の違い
大手美容クリニックと個人の美容クリニックでは、看護師としての仕事内容が大きく異なりました。
私が勤務していた大手美容クリニックは、医師・看護師・受付・カウンセラー・アシスタントを含め、従業員が約100名在籍していました。業務の分担が明確で、看護師は純粋に看護業務に集中できる環境でした。
一方、個人美容クリニックでは、従業員は看護師5名・アシスタント2名の計7名のみ。受付専門スタッフはおらず、看護師が幅広い業務を担っていました。
特に大きく異なったのは、施術の主体が医師にある点です。以前は看護師が担当していたレーザー照射や点滴なども、医師が直接対応するスタイルに変わり、看護師は主に医師の施術介助を行うようになりました。
また、看護師が担う業務には以下も含まれていました。
- 受付対応・会計処理・電話対応
- 在庫管理・発注業務
- 患者からのメール相談対応
- 医師の施術介助
- 業者対応や価格交渉 など
私は事務作業が得意ではないため、当初は業務に慣れるまで苦労しました。しかし、人間関係が良好で、来院する患者のマナーも良かったため、精神的なストレスは大幅に減りました。
私の一日のスケジュール(個人美容クリニック勤務時)
個人の美容クリニックでは、医師が施術の多くを担当するため、私が経験してきたような点滴・注射・レーザー照射といった看護師主体の業務は減少しました。その分、医師の介助や受付・事務業務を並行してこなす必要があり、大手美容クリニックとは違った大変さがありました。
また、患者対応は来院時だけでなく、施術後のフォローにも気を配らなければなりません。トラブルを未然に防ぐため、電話やメールでの対応も看護師の重要な業務です。
さらに、業者との価格交渉など、看護師の業務範囲は非常に広く、マルチタスクが求められる現場でした。
看護師としてのやりがいを教えてください
個人美容クリニックでは、院長の実力や人柄がクリニック全体の雰囲気や売上に直結します。私が勤務している個人の美容皮膚科クリニックも、院長の高い技術力と人間性が信頼されており、年々患者数が増加し、売上も安定して右肩上がりです。
このような環境の中で、看護師一人ひとりがさまざまな担当業務(係)を持ち、クリニックの運営に直接関わっていることが、大きなやりがいにつながっています。
確かに業務量は多く、施術の介助だけでなく、受付対応、在庫管理、事務処理、患者対応なども担うため大変ですが、クリニック運営の全体像が見えることはとても貴重な経験であり、看護師として大きく成長できる場だと感じています。
さらに、自分の提案や意見が実際の運営に反映されることも多く、「自分がこのクリニックを支えている」という実感を得られる点も、看護師として働くうえでの大きなやりがいです。
転職活動中の看護師の方へアドバイス
私の場合、美容クリニックに限定して転職先を探していたため、希望条件に合う求人がなかなか見つからず、転職までに約半年を要しました。
入職当初は、希望していた勤務時間での就業は難しかったものの、入職から2年後、クリニックに直接交渉したことで、正社員のまま勤務時間を変更することができました。これは、日頃の信頼関係や業務への貢献が評価されていたからだと思います。
また、スタッフ間の人間関係も良好で、公休・有休もほぼ100%希望通りに取得できる働きやすい環境が整いました。
家庭や子育てと両立しながら働く看護師にとっては、クリニックの制度だけでなく、同僚の協力を得られる関係性を築くことが非常に重要です。私は、日頃からの感謝や気遣いを意識しながら働くようにしています。
このようなケースはややイレギュラーかもしれませんが、自分が職場に貢献している実感が持てるようになってから、勤務形態などの相談をすることが成功のポイントでした。
また、看護師専門の転職サイトを利用する場合は、担当者に自分の希望条件を明確に伝えることが大切です。転職活動の軸がぶれないよう、あらかじめ希望条件を整理した上で相談することで、ミスマッチを防ぐことができます。